されば、人、死を憎まば、生(しゅう)を愛すべし。
存命を喜び、日々に楽しまざらんや。
人皆生を楽しまざるは、死を恐れざる故なり。
死を恐れざるにはあらず、死の近き事を忘るるなり。
存命を喜び、日々に楽しまざらんや。
人皆生を楽しまざるは、死を恐れざる故なり。
死を恐れざるにはあらず、死の近き事を忘るるなり。
吉田兼好
鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての官人・遁世者・歌人・随筆家。治部少輔・卜部兼顕の子。本名は卜部兼好(うらべ かねよし/うらべ の かねよし)。 卜部氏の嫡流は兼好より後の時代に吉田家と称するようになり、江戸時代以降は吉田兼好と通称されるようになった。また出家したことから兼好法師(けんこうほうし)とも呼ばれる。日本三大随筆の一つとされる『徒然草』の作者であり、また私家集に『兼好法師家集』がある。