それには、時間をかけるしか手がない。
幸福は寝て待つのが賢明である。
ときとして、一夜漬けのようにさっとでき上がることもあれば、何十年という沈潜ののちに、はじめて、形をととのえるということもある。
いずれにしても、こうして無意識の時間を使って、考えを生み出すということに、われわれはもっと関心をいだくべきである。
幸福は寝て待つのが賢明である。
ときとして、一夜漬けのようにさっとでき上がることもあれば、何十年という沈潜ののちに、はじめて、形をととのえるということもある。
いずれにしても、こうして無意識の時間を使って、考えを生み出すということに、われわれはもっと関心をいだくべきである。
外山滋比古
1923年生まれ。東京文理科大学英文科卒業。お茶の水女子大学名誉教授。専攻の英文学に始まり、テクスト、レトリック、読書、読書論、エディターシップ、思考、さらに日本語論の分野で、独創的な仕事を続けてきた。平明で論理的な日本語を開拓したエッセイストとしても定評がある。