われわれが美徳と思っていることも、実際には、さまざまな行為とさまざまな欲得がないまぜになったものにすぎない場合が多い。
ただ、運によって、あるいはわれわれがうまく立ち回ることによって、それがたまたま美徳に見えているだけのことである。
そんなわけで、男が勇敢そうにふるまっても、必ずしも勇敢だからではないし、女が貞淑そうにふるまっても、必ずしも貞淑だからではない。
ただ、運によって、あるいはわれわれがうまく立ち回ることによって、それがたまたま美徳に見えているだけのことである。
そんなわけで、男が勇敢そうにふるまっても、必ずしも勇敢だからではないし、女が貞淑そうにふるまっても、必ずしも貞淑だからではない。
ラ・ロシュフコー
名門貴族の生まれであり、多くの戦いに参加した後、いわゆる『箴言集(しんげんしゅう)』を執筆した。彼の作品に見られる辛辣な人間観察には、リシュリューと対立して2年間の謹慎処分を受けたことや、フロンドの乱でジュール・マザランと対立したことなどで味わった苦難が反映されているとも言われる。宗教的にはジャンセニスムの立場に近かった。