私たち人間は友人に裏切られて傷ついたり、未来を予測して不安に駆られたり、大切な人を喪って塞ぎ込んだりする。そして、ときには自殺まで考えるほどの失意を味わう。
それらはみな心の動きである。
多くの人が、こうした心の動きをときには持て余し、振り回されて、苦しいと私に相談に来られることもある。
心などないほうが、おそらく人生は快適に過ごすことができるに違いない。
しかし、私たちにはなぜか「心」という機能が備えつけられてしまっている。
これにはいったいどういう理由があるのだろうか。
それらはみな心の動きである。
多くの人が、こうした心の動きをときには持て余し、振り回されて、苦しいと私に相談に来られることもある。
心などないほうが、おそらく人生は快適に過ごすことができるに違いない。
しかし、私たちにはなぜか「心」という機能が備えつけられてしまっている。
これにはいったいどういう理由があるのだろうか。
中野信子
1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用科学科卒業。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。東日本国際大学教授。著書に多数。