あの紫は
お池の杜若。
一つ橋渡れ。
二つ橋渡れ。
三つ四つ五つ。
杜若の花も
六つ七つ八つ橋。
あの紫は
お姉ちゃんの振袖。
一つ橋渡れ。
二つ橋渡れ。
三つ四つ五つ。
お姉ちゃんの年も
六つ七つ八つ橋。
お池の杜若。
一つ橋渡れ。
二つ橋渡れ。
三つ四つ五つ。
杜若の花も
六つ七つ八つ橋。
あの紫は
お姉ちゃんの振袖。
一つ橋渡れ。
二つ橋渡れ。
三つ四つ五つ。
お姉ちゃんの年も
六つ七つ八つ橋。
泉鏡花
1873年(明治6年)11月4日 – 1939年(昭和14年)9月7日)は、日本の小説家。明治後期から昭和初期にかけて活躍した。小説のほか、戯曲や俳句も手がけた。本名、鏡太郎(きょうたろう)。金沢市下新町生まれ。尾崎紅葉に師事した。『夜行巡査』『外科室』で評価を得、『高野聖』で人気作家になる。江戸文芸の影響を深く受けた怪奇趣味と特有のロマンティシズムで、幻想文学の先駆者としても評価されている。ほかの主要作品に『照葉狂言』『婦系図』『歌行燈』などがある。