雨がふります。雨がふる。
遊びにゆきたし、傘はなし、紅緒の木履も緒が切れた。
雨がふります。雨がふる。
いやでもお家で遊びましょう。千代紙折りましょう、たたみましょう。
雨がふります。雨がふる。
けんけん小雉子が今啼いた、小雉子も寒かろ、寂しかろ。
雨がふります。雨がふる。
お人形寝かせどまだ止まぬ。お線香花火もみな焚いた。
雨がふります。雨がふる。
昼もふるふる。夜もふる。雨がふります。雨がふる。
遊びにゆきたし、傘はなし、紅緒の木履も緒が切れた。
雨がふります。雨がふる。
いやでもお家で遊びましょう。千代紙折りましょう、たたみましょう。
雨がふります。雨がふる。
けんけん小雉子が今啼いた、小雉子も寒かろ、寂しかろ。
雨がふります。雨がふる。
お人形寝かせどまだ止まぬ。お線香花火もみな焚いた。
雨がふります。雨がふる。
昼もふるふる。夜もふる。雨がふります。雨がふる。
北原白秋
1885年(明治18年)1月25日 – 1942年(昭和17年)11月2日)
日本の詩人、童謡作家、歌人。本名は北原 隆吉。詩、童謡、短歌以外にも、新民謡(「松島音頭」・「ちゃっきり節」等)の分野でも傑作を残している。生涯に数多くの詩歌を残し、今なお歌い継がれる童謡を数多く発表し、活躍した時代は「白露時代」と呼ばれ、三木露風と並んで評される、近代の日本を代表する詩人である。弟はそれぞれ出版人となり、北原鉄雄は写真・文学系出版社アルスを、北原義雄は美術系のアトリエ社を創業し、従弟の北原正雄も写真系の玄光社を創業した。