欲望は必要だが、それに流されてはいけない・・・。
多分、そういうことなのだろうと私は考える。
欲望を制禦すること、欲望との闘いを忘れないことだ。
自省しながら欲望に負けて行くのと、唯々諾々と欲望に身を委せるのとは違う。
多分、そういうことなのだろうと私は考える。
欲望を制禦すること、欲望との闘いを忘れないことだ。
自省しながら欲望に負けて行くのと、唯々諾々と欲望に身を委せるのとは違う。
佐藤愛子
1923年(大正12年)大阪市生まれ。甲南高女卒業。小説家・佐藤紅緑を父に、詩人・サトウハチローを兄に持つ。1950年(昭和25年)「文藝首都」同人となり処女作を発表。「文學界」に掲載された「冬館」で文壇に認められ、1969年『戦いすんで日が暮れて』で直木賞を、1979年に『幸福の絵』で女流文学賞を受賞。佐藤家の人々の壮絶な生き方を、ありありと描いた大河小説『血脈』で、2000年(平成12年)菊池寛賞を受賞する。