「今回のタイトル戦で、一手待ったができるとしたら、たとえばどの手でしょうか?」
私は、「うーん」と絶句するしかない。
正直なところ、「待った」という発想自体が私にはないのだ。
一手一手を、すべて自分のなかではベストと思って指している。
結果的に、それが良い手であれ悪い手であれ、勝負というのはそういうものだと思っている。
だから、「この手を指したから負けた」と後悔したことは、基本的にはない。
たとえその手がミスだったとしても、それが自分の実力なのだから後悔はしない。
私は、「うーん」と絶句するしかない。
正直なところ、「待った」という発想自体が私にはないのだ。
一手一手を、すべて自分のなかではベストと思って指している。
結果的に、それが良い手であれ悪い手であれ、勝負というのはそういうものだと思っている。
だから、「この手を指したから負けた」と後悔したことは、基本的にはない。
たとえその手がミスだったとしても、それが自分の実力なのだから後悔はしない。
羽生善治
1970年埼玉県生まれ。将棋棋士。小学6年生で二上達也九段に師事し、プロ棋士養成機関の奨励会に入会。奨励会の6級から三段までを3年間でスピード通過。中学3年生で四段。中学生のプロ棋士は、加藤一二三、谷川浩司以来。1989年19歳で初タイトルの竜王位を獲得する。その後、破竹の勢いでタイトル戦を勝ち抜き、1994年九段に昇段する。1996年王将位を獲得し、名人、竜王、棋聖、王位、王座、棋王と合せて「七大タイトル」全てを独占。「将棋界始まって以来の七冠達成」として日本中の話題となる。2008年には名人通算5期により永世名人の資格を獲得し、その他に永世棋聖、永世王位、名誉王座、永世棋王、永世王将、永世竜王などの永世称号の七冠も達成している。棋風はオールラウンドで幅広い戦法を使いこなし、終盤に繰り出す妙手は「羽生マジック」と呼ばれ多くの将棋ファンを魅了している。