朝、いつまでも寝ている子どもを、妻は起こそうとする。
「朝だから起きなくては」というのが妻の言い分だ。
それに対して、
「眠っているのをムリに起こすのは、かえって健康によくない」と私は反論する。
たとえ遅刻しようとも、体が睡眠を欲していることに逆らってはいかんというのが私の持論だ。
それを「睡眠至上主義」と呼んでいる。
わが家では、眠りたければ何時間でも眠り続けるのが家訓なのだ。
休日などで、午後になってもだれも起きてこず、家の中がシーンとしていると、私は満ち足りた幸福感を覚える。
「朝だから起きなくては」というのが妻の言い分だ。
それに対して、
「眠っているのをムリに起こすのは、かえって健康によくない」と私は反論する。
たとえ遅刻しようとも、体が睡眠を欲していることに逆らってはいかんというのが私の持論だ。
それを「睡眠至上主義」と呼んでいる。
わが家では、眠りたければ何時間でも眠り続けるのが家訓なのだ。
休日などで、午後になってもだれも起きてこず、家の中がシーンとしていると、私は満ち足りた幸福感を覚える。
水木しげる
1922年生まれ。鳥取県境港に育つ。本名は武良茂。戦争中にラバウルで左腕を失う。武蔵野美術学校、紙芝居画家、貸本漫画家を経て漫画家に。1967年から『少年マガジン』で『ゲゲゲの鬼太郎』の連載開始。以後、『悪魔くん』『河童の三平』などの人気作品を発表し、妖怪漫画家の第一人者となる。1991年に紫綬褒章、2003年に旭日章綬章を受章している。