人はややもすれば努力の無功に終わることを訴えて嗟嘆するもある。
然れど努力は功の有と無とによって、これを敢えてすべきや否やを判ずべきではない。
努力ということが人の進んで止むことを知らぬ性の本然であるから努力すべきなのである。
然れど努力は功の有と無とによって、これを敢えてすべきや否やを判ずべきではない。
努力ということが人の進んで止むことを知らぬ性の本然であるから努力すべきなのである。
幸田露伴
1867年8月22日-1947年(昭和22年)7月30日
日本の小説家。本名は成行(しげゆき)。別号に蝸牛庵(かぎゅうあん)、笹のつゆ、雷音洞主、脱天子など多数。江戸(現東京都)下谷生れ。帝国学士院会員。帝国芸術院会員。第1回文化勲章受章。娘の幸田文も随筆家・小説家。高木卓の伯父。『風流仏』で評価され、『五重塔』『運命』などの文語体作品で文壇での地位を確立。尾崎紅葉とともに紅露時代と呼ばれる時代を築いた。擬古典主義の代表的作家で、また漢文学・日本古典や諸宗教にも通じ、多くの随筆や史伝のほか、『芭蕉七部集評釈』などの古典研究などを残した。