ほとんどのカモメは、飛ぶという行為をしごく簡単に考えていて、それ以上のことをあえて学ぼうとなどとは思ないものである。
つまり、どうやって岸から食物のあるところまでたどりつき、さらにまた岸へもどってくるか、それさえ判れば充分なのだ。すべてのカモメにとって、重要なことは飛ぶことではなく、食べることだった。
だが、この風変わりなカモメ、ジョナサン・リヴィングストンにとって重要なのは、食べることよりも飛ぶことそれ自体だったのだ。
その他のどんなことよりも、彼は飛ぶことが好きだった。
つまり、どうやって岸から食物のあるところまでたどりつき、さらにまた岸へもどってくるか、それさえ判れば充分なのだ。すべてのカモメにとって、重要なことは飛ぶことではなく、食べることだった。
だが、この風変わりなカモメ、ジョナサン・リヴィングストンにとって重要なのは、食べることよりも飛ぶことそれ自体だったのだ。
その他のどんなことよりも、彼は飛ぶことが好きだった。
リチャード・バック
1936年6月23日生まれ。アメリカ合衆国イリノイ州生まれの飛行家、作家。飛行機に関するルポルタージュ風の作品を書いていたが、1970年に『かもめのジョナサン』を発表した。当初はほとんど評判にならなかったが、1972年に突如ベストセラーのトップに躍り出た。各国語に翻訳され、日本でもロングセラーとなっている。作曲家のヨハン・ゼバスティアン・バッハの子孫だと称している。自己啓発セミナーのシルバ・マインド・コントロール(現シルバメソッド)の卒業生。