日本の社会自体が、すでに成長の止まった社会なのだから、人を蹴落としてまで出世しようとする考え方よりは、限られた富をいかに分配して持続可能な社会をつくっていくかを考えた方が、社会全体にとってはいいはずなのだ。
『わかりあえないことから』
平田オリザ
平田オリザ
1962年東京都生まれ。国際基督教大学在学中に劇団「青年団」結成。戯曲と演出を担当。現在、美術文化観光専門職大学学長。2002年度から採用された、国語教科書に掲載されている平田のワークショップの方法論により、多くの子供たちが、教室で演劇を作るようになっている。戯曲の代表作に『東京ノート』、『その河をこえて、五月』、『日本文学盛衰史』などがある。