だれも今までに『生命』を手にしたことはないし、それを見た人もいない。
また、だれも『生命』を使って生物学の研究をすることはできない。
生命現象を研究するときは、必ず具体的に存在する個々の食部や動物を使うしかない。
その場合、その取りあつかう生物に固有な性質と生命に共通な一般的な性質の両面が常に現れることになる。
古谷雅樹
『植物的生命像』
古谷雅樹
日本の植物生理学者。植物が光・水・温度・養分といった環境情報をどのように感知し、成長や代謝を制御しているのかを、分子生理学・細胞生理学の視点から解明してきた。とくに光応答や水分動態を軸とした研究を通じ、植物を受動的な存在ではなく、環境と能動的に相互作用する高度な生命システムとして捉える視座を提示している。基礎研究に立脚しながら、農業・環境・持続可能性への応用も視野に入れた研究姿勢で知られ、生命科学と人間社会を静かにつなぐ研究者である。




