広島へ出た晩はゆくところがないもんだから、木賃宿へ泊った。
するとね、あくる朝、なんだか身体じゅうがもぞもぞする。
どうもおかしいぞと思ったら、なんとしらみをもらっとるんだ。
なるほど世の中はえらいところだと、これで思った。
するとね、あくる朝、なんだか身体じゅうがもぞもぞする。
どうもおかしいぞと思ったら、なんとしらみをもらっとるんだ。
なるほど世の中はえらいところだと、これで思った。
升田幸三
1918年3月21日 – 1991年4月5日 将棋棋士。実力制第四代名人。棋士番号18。木見金治郎の弟子であり、木村義雄・塚田正夫・大山康晴と死闘を演じ、木村引退後は大山と戦後将棋界で覇を競った。名前は正しくは「こうそう」と読むが、将棋界では「こうぞう」で通した。