言葉というものを、詩人はそれくらい信用しているという、そのことなのです。
言葉の組み合わせとか、発明とか、そういうことで新しい言葉の世界をまたつくり出している。
それがある新しい意味をもつことが価値ですね。
それと同じように数学者は、数というものが言葉ではないのですか。
詩人が言葉に対するような態度で数というものをもっているわけですね。
言葉の組み合わせとか、発明とか、そういうことで新しい言葉の世界をまたつくり出している。
それがある新しい意味をもつことが価値ですね。
それと同じように数学者は、数というものが言葉ではないのですか。
詩人が言葉に対するような態度で数というものをもっているわけですね。
岡潔
大阪生まれ。日本数学史上最大の数学者。1925(大正14)年、京都帝大卒業と同時に講師に就任、以降、広島分理科大、北大、奈良女子大で教鞭をとる。多変数解析函数論において世界中の数学者が挫折した「三つの大問題」を一人で全て解決した。1960(昭和35)年、文化勲章受章。エッセイ集に『春宵十話』『日本のこころ』『風蘭』『情緒の教育』『情緒と創造』『情緒と日本人』などがある。