さやかにあるという「ある」を「ある」と思っていると軽く澄んで天となり、疑いを強く打ち消す形で「ある」を「ある」と思っていくと重く濁って地となります。
だから天地はこの線で分かれるのです。
このけじめがすこしでもわかるような気がしてくれば、それがあなたの心の夜明けなのです。
だから天地はこの線で分かれるのです。
このけじめがすこしでもわかるような気がしてくれば、それがあなたの心の夜明けなのです。
岡潔
大阪生まれ。日本数学史上最大の数学者。1925(大正14)年、京都帝大卒業と同時に講師に就任、以降、広島分理科大、北大、奈良女子大で教鞭をとる。多変数解析函数論において世界中の数学者が挫折した「三つの大問題」を一人で全て解決した。1960(昭和35)年、文化勲章受章。エッセイ集に『春宵十話』『日本のこころ』『風蘭』『情緒の教育』『情緒と創造』『情緒と日本人』などがある。