コンクリートはめっぽう強い建築素材でもある。
地震にも強い、火事にも強い、虫に喰われることもない。
そんな万能の素材が、二〇世紀に普及しないはずがなかった。
普遍的であるとは、場所を選ばないということであり、また建築のテイスト、種別を選ばないことであり、しかもどんなコストにも対応できるということである。
しかし、場所を選ばないということは、逆に言えば、あらゆる場所をコンクリートという一つの技術、その技術の裏にひそむ単一の哲学によって、同一化してしまうということである。
地震にも強い、火事にも強い、虫に喰われることもない。
そんな万能の素材が、二〇世紀に普及しないはずがなかった。
普遍的であるとは、場所を選ばないということであり、また建築のテイスト、種別を選ばないことであり、しかもどんなコストにも対応できるということである。
しかし、場所を選ばないということは、逆に言えば、あらゆる場所をコンクリートという一つの技術、その技術の裏にひそむ単一の哲学によって、同一化してしまうということである。
隈研吾
1954年、神奈川県生まれ。東京大学大学院建築学専攻修了、コロンビア大学建築・都市計画学科客員研究員などを経て、1990年隈研吾建築都市設計事務所設立。現在、東京大学工学部建築学科教授でもある。東京国立競技場など、国内外で数多くの建築を手掛ける。著書も多数ある。